吃音症は発達障害と言えるのか

吃音症は発達障害と言えるのか

吃音,発達障害

吃音を発達障害と言い切る前に

吃音はこれまで精神的な緊張に起因する症状と理解されてきました。状況によっては、だれにでも起こりうるという理解でした。しかし、1990年代には、吃音になりやすい体質があるということが統計的に解明されてきて、吃音に関連する遺伝子も見つかりました。その後2000年代には脳神経の機能不全によつ症状であるという見解も示されました

しかし、そのどれもが吃音の決定的な要因となっているわけではなく、吃音者によってその要因は様々です。吃音は発達障害なのかどうかを考えるときには、こういう広い視点が必要になるのです

一口に吃音は発達障害だと言い切ってしまうことはできませんし、吃音者が自分は発達障害であると落ち込む必要もありませんよ。

吃音はコミュニケーション障害の一つ

そもそも発達障害とはどういうものかというと、脳の機能が何らかの理由によって先天的に異常をきたしている状態のことで、言語や認知、社会性などの様々な分野で機能低下を示すものです。

アメリカ指針医学会が示した精神障害師団統計マニュアル(DSM)では発達障害を以下のように分類さしています。

①知的障害

②コミュニケーション障害

③自閉症スペクトラム

④注意欠陥・多動性障害

⑤特異的学習障害

⑥運動障害

⑦他の神経発達障害

この分類の②コミュニケーション障害の小分類に、「吃音、小児期発症の流暢性障害」という記載があります。つまり、このDSMの分類に従うと、吃音症という診断には狭義の発達障害という意味も含まれているということになります。

現実的にも、吃音症という診断名で障碍者手帳を取得することが可能ですし、少なくとも公的な枠組みとしては吃音は障害として認められる症状であるということがわかります。

しかし、吃音者の中には、「吃音は障害じゃない。サポートが必要な病気と認識しないでほしい」などという考えを持つ方もいます。

確かに、人によっては吃音の出る特定の場面以外は普通に暮らすことができるというのが吃音の特徴ですし、吃音を障害として認定することの難しさがここにあるのだと思います。

ただ、世界的な分類に則って言えば、吃音はコミュニケーション障害という発達障害の下位分類ということになります。

小児の吃音と大人の吃音で考え方は異なる

吃音,発達障害

吃音は「発達性」と「獲得性」という2つに分類することができます。吃音の9割が発達性と言われており、幼児期に発症するタイプになります。国や言語による発症率の差はないといわれており、体質や家庭環境どが要因の一つと考えられています。

一方で、大人(10代後半から)になってから神経学的疾患や大きなストレスなどが原因で発症する吃音が獲得制の吃音になります。獲得性の吃音になった方の中には、それまでは何の不自由もなく暮らしていた方も大勢いますが、そういう方も発達障害と言えるのかというと、それは微妙ですよね。特に当サイトをご覧になっている方々は、大人の吃音者がほとんどだと思うので、そういう意味では「あなたの吃音は障害ではなく、改善できるただのくせです」とするのが正しい理解かもしれません。

吃音を障害と捉える必要はない

狭義では吃音は発達障害という分類になりますが、普段からそのことを意識する必要は全くありません。吃音者は、知的障害や自閉症のように四六時中その症状とともに生きているという感覚はないはずです。吃音がでない言葉、シチュエーションは誰にでもありますよね。

むしろ、これは障害なのだと認識してしまうことで、吃音に対する悪いマインドフレームが強まり、吃音の改善から遠ざかってしまう可能性もあります

知識として発達障害の分類を知っておくのは良いことですが、自分の症状を障害だと思い込みすぎないようにしてくださいね。

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